地鶏食堂の鶏
JAS法と地鶏食堂鶏の関係
平成11年6月21に改定された日本農林規格「JAS法」による「地鶏の定義」は次の様に成ります。
地鶏とは明治時代にその種が日本に存在し、その血統を50パーセント以上引き継ぐ鶏で、飼育期間が80日以上であり、 28日令以降 は、平飼いで1㎡当たり10羽以下の飼育設備を持ち、それを農林法で定められた方法で証明された鶏を「地鶏」と言います。
当店が「地鶏食堂」としてオープンしたのは、平成9年6月1日です。
農水省は平成11年、「地鶏の定義」を変更する前に、「定義変更事前申し立て」をして頂きたかったと思っています。
当時の「広辞苑」で「地鶏」と検索すると、国産の鶏・地元の鶏と記されていました。
はっきり言って、「当店で使用している鶏は、JAS規格の定める地鶏」ではありません!
地鶏の本場「九州の地鶏は、そこいら辺に居る鶏」と言う事です。
「地鶏」と言うブランドを売り物にして居る店では有りません!
更に一羽を丸ごと販売しなければ、養鶏業者の方々も採算が取れないと思います。 当然それを使用する「料理店」も丸一羽をバランス良く提供するメニユー組が必要になります。 鶏のフル・コースを売り物にする「高級店」で無ければ使いこなせないような商品です。
又、「地鶏の定義」の中には「地鶏だから旨い」と言う必要十分条件は無いと考えます!
ちなみに、「明治時代にその種が日本に存在し、その血統を50パーセント以上引き継ぐ鶏」と言う条件が満たされたら、当店の種鶏は(超極上の)地鶏です!
ただ殆どの「種鶏」はフランス産・アメリカ産そして現在はオーストラリアの血統が本流なのですが、肝心な「種・・・血統」までは輸出してくれないのが現状です。
鶏の旨さは、生まれてからの日齢に拠って食感が変わり、餌の種類と運動量によって脂の甘さが決まるのです。
「喰って旨ければブランド鶏や地鶏で無くても文句無いでしょう!」と単純に考えるのが私の「文化人」では無く、 佐賀県のど田舎に生まれ育った、猿に近い「人種」のせいだろうと思っています。
世界的に蔓延する「鳥インフルエンザ」、一次産業従事者の高齢化や人手不足等で益々厳しい状況です。
創業24年、「地鶏食堂」が脂の乗りにこだわり続け て来た鶏が「種鶏 」です。
皆様が普段お召し上がりに成っている「ブロイラーの母親」 です。
450日間、放し飼いで育てられているため、脂に甘みが有り、この鶏なしには 当店の味は 成り立ちません!
舌に自信のある方は、一度「脂の乗った種鶏」の味を確認して下さい。 2020/02/5
地鶏食堂の鶏
当店では、様々な令の鶏とその部位を用意しています。
まずは、大きく分けると450日令種鶏 ・ 500日~600日令親鳥です。
何時でも準備している鶏の部位は
450日種鶏
ブロイラーの母親鶏を、ブロイラー種鶏と言います。
ブロイラーは成長の早い鶏は生後45日位で店頭に並ぶ鶏ですが、1日約7円位の餌代が掛かる為、1日でも早く大きく育つ様に体の大きなオスとメスを掛け合わせます。
このメス鶏を種鶏と言うのですが、この鶏は450日で加工場に送られ食肉になります。
何故450日で殺処分されるのかと言うと、450日以上経って生まれたヒヨコは病に弱く、成長も遅い雛が生まれる可能性がある為、業界では450日で処分する申し合わせに成って居るのです。
この一群が加工場に到着し、大型の群れ(大型に脂の乗っている確立が高い)が入荷した時に、脂の乗った鶏モモを選び出したものが、当店自慢の450日種鶏モモ肉として人気を集めております。
ただ、いつもあるとは限らない製品ですから、採れた時に全量在庫して居ます。
この24年の間に2回種鶏不足のピンチに合いました。
鶏が代わると、ご常連様にはすぐに分る様です。
当店をご利用頂いて居るお客様の舌の良さには、本当に驚かされます。
放し飼いにされた種鶏の脂には甘味が有り、味が有ります。 たいした食通でも無い私にでも感じられる旨さです。
そのてん、ゲージで育てられた親鳥の脂にはジューシーさは感じられますが、種鶏程の旨味は感じられません。
毎日賄いで親鳥を食べているスタッフの中には、「脂のりの親鶏」が最高です・・と食感とジューシーさが好みの人も居るのです。
「大根オロシとオニオン・スライス」が有れば事足りる私からすれば、踏み込めない領域です!
種鶏モモ
大量に入荷する鶏の一群の中から、特に脂の乗り切った鶏のモモ肉だけを選び抜いた、当店一押しのモモ肉です。
鶏皮
脂の乗った種鶏の胸皮で、一般にはあまり出回っていません。
セセリ(小肉)
この肉が鶏肉の中で一番美味しいと言うファンの多い首の部分の肉で、一羽からわずかしか取れない希少部位の肉です。
テール(ぼんじり)
一般の焼鳥屋で、ボンジリやサンカクと呼ばれる、尾羽根の付け根の部分ですが、骨の部分と突先を挟んで、皮を剥く様にクルクルと回しながら食べると柔らかく脂が乗って美味しいのですが、成熟鶏(種鶏)のそれは、脂袋が発達し、その部位を丁寧に・正確に取り除かねば、臭くて食べられないのです。
この作業は非常に神経を使い、さらに歩留まりは3割位になります。 ところが、調理済みの種鶏テールは、脂の乗り具合といい、食感といい、好きな人にとっては、ブロイラーのそれとは比べる事の出来ない希少部位です。
ブロイラーのそれとは違い、450日鶏では脂袋が発達しこれを外すのにとても手間の掛かる部位ですが、格段の旨さがあります。
種鶏モモ・タタキ
シッカリした歯ざわりの種鶏モモ肉のタタキです。 秘伝のポン酢と自家製柚子ゴショウで召し上がって下さい。
採卵鶏親鶏(500〜600日)
採卵鶏で採卵率の悪く成った鶏を昔を「廃鶏」と呼び、更に「成鶏」と名前を変えて現在は「親鶏」と呼ばれて居ます。
鶏に脂が乗ると「採卵率」の落ちる事が多いいのですが、歯ごたえと旨みがあって「これが本来の鶏だ!」と言うマニアの多い鶏です。
歯の弱い方やお年寄りには無理かも知れませんが、切り方次第で食べやすくなります。
当店の「骨付きモモ焼き」はこの鶏の大型を使用しています。 大きな鶏が脂の乗っている確率が高いのです。 塩コショウで焼くと、得も言われぬ旨さを感じられます。
親鶏モモ肉
採卵鶏の肉で身は硬いですが、味があります。この鶏でなければ、というファンも多いモモ肉です。
骨付きモモ肉
脂と煙がすごい為、室外で焼いてます。病み付きもも肉です。
鶏が苦手なお客様用の肉
鶏の嫌いな方には牛肉・イノシシ・豚バラ・ラム・合鴨等も用意しております。 鶏の味にはしこたま拘っていますが、牛の様にこだわればキリの無い高級品に付いては「価格」を押さえ妥協している商品もあります。
鶏の概念が変わります
当店ではブロイラー種鶏・親鶏(500~600日令)・若鶏の3種類を料理によって使い分けておりますが、普段皆様が食べられている鶏肉とは、全く食感の違う物であると思います。